道しるべ

いまは他力本願の仏教が、わかりやすい歳になった。

看護婦さんに紙パンツを替えてもらうようになったら、他力本願の生活です。

親鸞さまの仲間に入れてくださいという気がします。

作家 水上 勉

三寺まいり

さそわれて飛騨の古川町に行った。「さくら」の舞台になった町である。桂木先生とさくらが、たがいの好意をはじめて感じたのは、三寺まいり(1月15日)の夜であった。

この町では古くから、真宗寺、円光寺、本光寺の報恩講が、1月13日から16日まで同時につとまり、ことに15日の夜の法座は大逮夜(親鸞さまご往生をみとる夜)といって、門徒の人たちが三つの寺を順次に参り、最後は自分のたのみ寺で、一同に正信偈をつとめ、ゆったりとした気分で法話を聴聞するのである。

寺のほうでも、一段と美しく仏前をかざり、門徒の寄進になる大ろうそく(2貫〜3貫)を数10本ともして迎えるのである。そしてこの夜は、若者たちの数少ない出会いの場でもあった。大ろうそくこそなかったが、昭和30年代ごろまでは土地によって多少の違いはあっても、報恩講の大逮夜(妙蓮寺は12月15日夜)はこのようであった。

それが老齢化とともにさびしくなった。どうであろう。中高年の男、女、ご夫婦そろえばさらによい。

お参りなされませんか?報恩講へ、大逮夜に…。

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