どう生きてきたかということが どう死ねるかを決定する
千葉 敦子
千葉 敦子ガンと戦い、迫りくる死を見すえながら、1987年7月9日、ニューヨークにて死す。
「死が身近になればなるほど、残り少ない人生を楽しもうとした。もし出来るならモーツアルトを聞きながら死にたい。聴覚が最後まで残るのだそうだから、この世で一番美しい音楽モーツアルトを聞きながらこの世を去りたい。もし出来るなら、もし選べるなら、呼吸困難や出血で手当てをうけながら、ばたばた死ぬのではなく、疲れきって深い眠りにつくように、静かにこの世を去りたい……。こんなうまくいきますかいな……。」
一度帰国、上智大学で「死の哲学」講座で講演。
「生きてる間に安全だけを求めて危険をおかすことを一度でもやってこなかった人、この人たちは、死を前にしてびくびくするのではないかという気がします。人生において何度か清水の舞台から飛び下りるとか、未知の世界へ足をふみいれるとか経験のある人は、死につながる病気にかかっても、パニックにおちいらないような気がします。ですから、どう生きてきたかということが、どう死ねるかを決定するのだろうと思います。」