花は咲く縁があつまって咲き 葉は散る縁があつまって散る
ひとり咲き ひとり散るのではない
縁によって咲き 縁によって 散るのであるから いつまでも ひとりだけながくとどまることは出来ない
庭の石蕗(つわ)の花が終わったと思ったら、急に山茶花が咲きだし、木の葉が散りはじめた。まちがいもせず、天地(しぜん)は冬にむかいつつある。
寒さを好んで咲く花がある。寒いと咲けない花もある。寒さが咲かすもの、寒さが散らすもの、咲かすも散らすも縁(条件)しだい。縁とは面白いものである。
全国の酒どころでは、これからが新酒のしこみで、杜氏さんたちは寝る間もないほど忙しくなる。酒も寒くないといいものが出来ないそうだ。寒いと出来るもの、寒いと出来ないもの、縁とは不思議なものである。
円高、円高といわれて久しいが、これでお互いのふところが、得しているのやら損しているのやらさっぱりわからない。円高で損する企業、円高で得する企業、縁とはままならぬものである。
寒さにしろ円高にしろ、縁は無差別、平等、いささかもえこひいきしない。それがある時には、味方にもかたきにもかわるのは、みんな私の側の都合ばかりで受け取るからである。反対の側に立って見れば、つじつまは合っているのである。さても縁とはきびしいものである。
とはいうものの理屈では腹の虫は一向に納得しない。このおさまらぬいかり、腹立ち、そねみ、ねたみの腹の虫、蝶に変身させて、空中に飛ばす手だてはないものだろうか。